News Release  ◎過去ログは、この記事の下に表示されます。

  ◆『色彩の記憶』 を製作した(株)ミルボンの創業50周年記念映像を
   御法川修監督が演出しました。
   記念式典で一度限り上映される作品として完成したのですが、
   映像文化製作者連盟が主催する映像祭 「映文連アワード2010」
   の大賞に当たる経済産業大臣賞を受賞しました。
   (2010年9月30日掲載)

   

  ◆『色彩の記憶』 がパリで開催された 第4回 KINOTAYO映画祭
   招かれ、芸術協会賞 (Prix du comité artistique) を受賞。
   映画祭のクロージング作品としてグランパレで上映されました。
   (2009年11月27日掲載)

   

  Information   ◎過去ログは、この記事の下に表示されます。

  ◆御法川修監督の最新作が始動! 映画 『人生、いろどり』
    
   出演◎吉行和子/富司純子/中尾ミエ/藤 竜也
        平岡祐太/村川絵梨/戸次重幸
   脚本◎西口典子  監督◎御法川 修
   配給◎ショウゲート
   ※2012年秋 「シネスイッチ銀座」他 全国公開
   Copyright © 2012 「人生、いろどり」 製作委員会
   (2011年10月28日掲載)


 
 ◆『SOUL RED 松田優作』 (監督御法川修)
  生誕60年没後20年のメモリアルとして、
  最初で最後の公式ドキュメンタリー映画が誕生
  今なお人々の心に生き続ける男の軌跡。

  ★DVD発売中 ★ORICON TOP
  第22回 東京国際映画祭 特別招待作品
  Copyright © 2009 SOUL RED Film Partners 



  ◆御法川修監督が手がけたテレビCM が好評オンエア中
    映画界の豪華スタッフが顔をそろえ、贅沢な仕上がりになっています。
    是非ご覧になってください。  (2009年3月1日掲載)

 

  スープで食べる、野菜のおいしく新しいカタチ 「ベジさめ」 新発売
  TV-CM 「モノクローム」 篇 Starring 加藤ローサ
  ★コチラを Click ムービーでご覧いただけます。
  Copyright © 2009 Acecook Co.,Ltd. All Rights Reserved.


  第49回 「消費者のためになった広告コンクール」 金賞受賞
  
  For Earth,For Life 〜 株式会社クボタ
  TV-CM 「過去と未来 (eプロジェクト地球小屋)」 篇
  ★コチラを Click ムービーでご覧いただけます。
  Copyright © 2009 Kubota Corporation. All Rights Reserved.


2009年08月20日

ありがとうございました。

宣伝担当です。
『色彩の記憶』 の劇場公開は終了しました。
映画館へ足を運んでくださった皆様、ありがとうございました。
心にとめておくために、上映スケジュールを記しておきます。
  
【東京】 東京都写真美術館 / 2月07日(土) 〜 15日(日)
【群馬】 高崎映画祭 / 4月05日(日) 〜 06日(月)
【愛知】 名古屋シネマスコーレ / 5月30日(土) 〜 6月05日(金)
【兵庫】 神戸アートビレッジセンター / 6月13日(土) 〜 19日(金)
【九州】 福岡アジア映画祭 / 7月03日(金) 〜 05日(日)
【大阪】 第七藝術劇場 / 7月18日(土) 〜 24日(金)
【京都】 京都みなみ会館 / 8月15日(土) 〜 20日(木)


 Copyright © 2009 MILBON co.,ltd. All Rights Reserved.

 ◆スタッフ
 企画製作◎株式会社ミルボン
 製作プロデュース◎株式会社KB.PLANNING INTERNATIONAL

 製作◎鴻池一郎
 企画◎佐藤龍二

 プロデューサー◎桂 良一
 アソシエイトプロデューサー◎岡 功 / 平井正男 / 新名貴史

 撮影◎小林 元 (東京) / 芦澤明子 (京都) / 池田俊己 (佐賀)
 照明◎北井哲男   編集◎時森茂和   音響◎高木 創
 アートディレクション◎奥村香奈  イラストレーション◎浅見ハナ
 プロデューサー◎井手口直樹   監督◎御法川 修

 ◆出演
 高原紀子 with 岩上晴美 (kakimoto arms
 山口伊太郎 with 野中 明 (紫紘
 馬場真右ェ門 (真右ェ門窯
posted by 色彩の記憶 at 10:00 | お知らせ

2009年04月13日

高崎映画祭

宣伝担当です。
今年で開催23回目を迎えた高崎映画祭
毎年恒例の授賞式は、まさに日本映画界の最前線といった様相。
その豪華な受賞者が一同に会した事実が、この映画祭の意義を証明しています。
独自の審美眼に選りすぐられた上映作品は、16日間で63作品がプログラム。
『色彩の記憶』 も栄えある一本として群馬の皆さまにご覧いただくことができました。
上映が行われたのは4月5日と6日。
御法川監督はもちろん、井手口プロデューサーも上映に立ち会うため高崎へ。
チラシやポスターのデザインを手がけた奥村香奈さんまでもが同行。
高崎城のお堀端の桜が満開で迎えてくれました。
シネマテークたかさきの上映時には、補助席まで埋まる満員の劇場で舞台挨拶をさせていただきました。
そんな熱気を肌で感じた井手口プロデューサーからメッセージが届きました。
以下にご紹介します。



人と出会うことが偶然であって必然であるように、
ある映画が、そんな思いを抱かせてくれる瞬間があります。
そして、それは出会った場所とともに、記憶に残されていきます。

高崎映画祭は地元の人たちにとっての大切な出会いの場所であるとともに
映画を制作するわたしたちにとっても、とても大切な場所です。

当たり前のことですが、つくられた映画が観客の方に届くためには、
映画館という、空間が必要です。
そして、この空間のスクリーンに映し出される映画は、
映画館を運営するスタッフによって選ばれます。
どんな映画を上映するのかは、この方々の眼差しによって決まるのです。

その眼差しを、確かな言葉として、聞くことが出来るのも、
映画祭に参加する大きな意義だと思っています。

小規模の映画であっても、創り手の思いを汲み、個性を尊重する姿勢に
支えられて、わたしたちの思いは届くのです。

『色彩の記憶』 の舞台挨拶上映とほぼ同じ時間帯に、
別の会場では、大林宣彦監督の舞台挨拶がありました。
つめかけた観客に向かい、「もう一度、映画を取り戻したい」 と
大林監督は述べられたそうです。

観る人を信じればこその発言だと思います。
高崎映画祭での言葉であることに深い意味を感じます。
制作の現場では、分かりやすさ、共感などという言葉が、
感受性や想像力をそぐほうへ向かいがちであることを
あらためて、自省しなくてはなりません。

東京から高崎まではほぼ2時間。
自らを振り返らせてくれる、素敵な映画と同じ距離にあります。

観客の方と向き合い、本当に良い映画を届けたいという思いを
日々、胸にかかえ取り組まれている高崎映画祭、
シネマテークたかさきのスタッフの皆様に、
そして、その思いに応えられるように、
自分たちを見つめ直す機会を与えて頂いたことに感謝します。
posted by 色彩の記憶 at 09:16 | 井手口直樹

2009年03月08日

魔法使いのサービス

御法川です。
昨年から温めてきた次回作の主演女優に企画をプロポーズする場を与えられ、その緊張と重圧から解かれた今なお興奮冷めやらず ・・・・。
俳優としてはもちろん、ひとりの表現者として尊敬に値する女性との面談。
ぼくは前のめりに気負っていたものだから、支離滅裂な話になってしまったけれど、対する彼女は細い体に一本固い芯が通っている、清楚ながらプロフェッショナルの顔でした。自分が関わる仕事を最高のものにしたいという熱意に触れ、ぼくのテンションもググッと上がっています。

映画製作に限らず、あらゆる仕事は 「サービス業」 だとぼくは考えます。
英語の Service は 「礼拝」 の意味を含みます。
モーニングサービスと書かれた看板を見て、日本では喫茶店で早朝礼拝をするの?と訊いたガイジンさんがいるそうです。
その意味でも、「ぼくの仕事はサービス業」 という言い方は気に入っています。
祈りにも訓練が要る。そして訓練には我慢が要る。がんばりが要る。
いいサービスは、人と人をくっつけ、互いに影響を与え合い、成長させる。
そんな仕事をぼくもやっていきたい。

自立した芸術家が登場するロマン派の前の長い長い人間の歴史の中では、画家も詩人も音楽家もサービス業だったのです。ダヴィンチだってそう。
あの 『ダヴィンチコード』 が描いたように、人や教会をあざむく表現をダヴィンチはしていません。他人をあざむくことなど思いもよらなかっただろうし、許されるはずもなかったからです。
ヴィンチは、ただ自分に与えられた仕事を最高のものにしたかっただけ。
あまりに見事なホームランはマジックのように見えますが、ダヴィンチが生前に魔法使い呼ばわりされたのは、彼の仕事があまりに見事なサービスだったからでしょう。

さて、前回お知らせしたテレビCMに続いて、新たなCMを手がけることができました。
野菜をねりこんだ新開発の春雨を使用したエースコックの新商品 「ベジさめ」。
関東甲信越地区での先行発売に合わせて、テレビCMが放映中です。
野菜を濃縮して春雨に練りこもうとした発想、その開発に費やした三年の歳月、商品の魅力を多くの人へ伝える術を練った広告。それら全てを最高の形にもっていきたいと望んだ取り組みを、スタッフの一人として紹介させていただきます。

 TV-CM ベジさめ 「モノクローム」 篇 Starring 加藤ローサ
 ★コチラを Click ムービーでご覧いただけます。

 

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 Staff Credit
 製作◎エースコック  広告代理店◎読売広告社  制作会社◎アットアームズ
 クリエイティブ ディレクター◎正木達志 / 稲垣優輝  キャスティング◎小泉潤子
 アカウント エグゼクティブ◎川森隆弘 / 門山康次 / 田中徹也
 プロデューサー◎勝野陽介  プロダクション マネージャー◎岡元美佑紀
 撮影◎小林 元  照明◎堀 直之  美術◎岡村匡一 (東映)  
 音楽◎mama! milk with イガキアキコ & トウヤマタケオ & ワタンベ
 音楽録音◎林 皇志  スタイリスト◎浜木沙友里  ヘアメイク◎赤間直幸
 フード コーディネーター◎市場ゆり子  タイトル グラフィック◎奥村香奈
 編集◎吉村寛興 (T601)  整音◎山口初行 (Step)  監督◎御法川修

加藤ローサさんのエレガントな佇まいは、ハリウッド黄金時代の名画に対するオマージュ。衣装もヘアメイクも、モノクロ画面の中でこそ輝く発色や艶について何度も試行錯誤を繰り返してくれました。
『クライマーズハイ』 で日本アカデミー賞技術部門の優秀賞を受賞した撮影の小林元さん&照明の堀直之さんコンビが、香るような画面の質感を徹底して追求。
スタジオに組まれたセットは、CGの力を借りずに背景絵の書き割りで夢幻的な世界を創出。東映撮影所の美術スタッフが培った歴史と経験が注がれています。
音楽は、ご一緒してみたいと長いあいだ熱望してきた mama! milk が担当。メロディのアクセントを画面の動きにぴったり合わせるオールドスタイルの劇伴に挑戦。
レコーディングエンジニアには、フィッシュマンズやUAなどを手がける林皇志さんを迎えた豪華版。ノスタルジックな音色を、ぜひ耳を澄まして聴いてほしいです。
そして、大事なベジさめの商品カット。ダンスを踊るように回転しているのにお気づきでしょうか。映像になってみればなんてこともないように見えますが、肝心の商品が画面の中で正対せずに動いている というのは、ちょっとした事件なのです。
不況、不況と騒がれるこの時代に、あえて面白いことに挑戦しようとしたエースコックの姿勢は、決して 「守り」 に入っていない。素晴らしいことです。
フードコーディネーター、市場ゆり子さんの頑張りはもちろん、クリエイティブディレクターの正木さんと勝野プロデューサーの挑戦する気概に尊敬と感謝を
自分たちに与えられた現場において、ささやかであっても小さな冒険を積み重ねることが、今より面白く、今より豊かな創造の場を望む一番の手だてなんだと思います。
現状への不満などコソコソ言い合っている場合じゃないのです。
・・・・ そんなわけで、15秒ながらまるで映画を一本仕上げたような感慨があります。
自分の携わった仕事に手ごたえを感じられらたことが何よりの幸福だと思うけれど、幅広く多くの方々に見てもらえることで、スタッフ達にもうひとつの至福が訪れるのだと思います。


◆付記
三池崇史監督の現場を担う名参謀として知られてきた助監督、西海謙一郎さん
が堂々の監督デビューを果たしました!!
すでにオンエアは終わってしまいましたが、テレビ東京 『ケータイ捜査官7』 の
第39話 「逃げられない恋」。
5月にはDVDがリリースされるので、是非ご覧になってほしいです。
西海さんは、ぼくの 『世界はときどき美しい』 を支えてくれた戦友のひとり。
「映画」 に身を捧げてきた着実なキャリアが、次はスクリーンに像を結ぶはず。
期待してます、西海さん
posted by 色彩の記憶 at 00:20 | 御法川修

2009年02月20日

職人仕事に詩人の魂

監督の御法川修です。
『色彩の記憶』 の東京公開は盛況のうちに幕を閉じました。

 

イラストレーター浅見ハナさんが描き下ろしてくださったメインビジュアルと、写真家
山口達己さんによるフォトコラージュが東京都写真美術館という理想の劇場空間を彩り、一週間という短い上映期間でしたが、のべ800人の方々にご覧いただくことができました。

もとは美容メーカーの企業メッセージを広報するPR映像として製作された作品が、
こうして一般公開されるに至った事実を、制作に携わったぼくが大げさに語ることは
慎まなければいけませんが、とても貴重な機会であったことは間違いありません。
とはいえ、それは作り手側にとっての意義。
劇場まで足を運んでくださった方々に、どのように受けとめてもらえたのか、今も責任
と重圧を感じています。

映像制作は、個人が容易にコントロールできない莫大な資金や人員を必要とします。
個人が 「社会」 とあいまみえることで、ひとりでは生み出せないものを創造できる。
それは殊更 「映画」 に限った話ではなく、ぼくらの日常全てに当てはまることでは
ないでしょうか。
大きなものと、小さなもの。その距離を行き来しつつ、照らし合いながら、少しづつ
個人と社会の相互を高め合っていきたいものです。

人類平等なんてありえないけれど、ひとりの個人が生きるエネルギーは他の何とも替え難い果実です。
ひとり一人が、いわば人生の職人なのです。
職人仕事の中に、いかに詩人の魂を込めうるか ・・・
人の心が百円ショップのように陳列されることなく、明るく丁寧に生きたいものです。

そんな想いのまま、ぼくにとって初めてとなるテレビCMを手がけることができました。
鉄腕DASH!!」 (日曜19:00〜 日本テレビ) にて放映中。

 
 株式会社クボタ 企業TV-CM
 「過去と未来 (eプロジェクト地球小屋)」 篇
 ★コチラを Click ムービーでご覧いただけます。

 Introduction
 日本農業の活性化を応援する 「クボタeプロジェクト」 と、子どもたちのキャンプ型
 体験学習 「クボタ地球小屋 (Terra-Koya)」。クボタが取り組む、この二つの社会
 貢献活動を、Kiroro の 「幸せの種〜Winter version」 にのせてご紹介します。
 写真家土門拳氏の写真からは、忘れかけていた自然と人のかかわりを再認識
 できることでしょう。「あの頃」 と 「今」 の写真で構成したこのCMは、子どもたち
 の笑顔溢れる未来を目指すメッセージでもあるのです。

  
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 Staff Credit
 写真◎土門拳
 音楽◎kiroro 「幸せの種〜Winter version」 (Victor)
 ナレーション◎尾美としのり
 製作◎クボタ  広告代理店◎読売広告社  制作プロダクション◎春企画
 クリエイティブディレクター◎岡本秀仁  プランナー&コピー◎正木達志
 アカウントエグゼクティブ◎川森隆弘 / 門山康次
 プロデューサー◎土田泰淳  プロダクションマネージャー◎上西祐貴
 撮影◎後藤大次郎  タイトルデザイン◎奥村香奈
 Avid編集◎時森茂和  オンライン編集◎間瀬佳寛 (SonyPCL)
 整音◎高木 創  録音スタジオ◎ステップ
 監督◎御法川修

『色彩の記憶』 と 『世界はときどき美しい』 で共に働いたスタッフが脇を固めてくれたおかげで、ぼく自身は何も気負うことなく、まっすぐ取り組むことができました。
クライアントである 「株式会社クボタ」 企業広告グループ長山崎方義さんの、テレビCMに対する見識と真摯な姿勢。
いつも真剣に面白いことを考えているプランナー正木達志さんの佇まいは、静かな不良。本物の不良はむやみに狂気をチラつかせたりはしないもの。ひっそり突きつけてくることが、ひとつひとつ的確で面白い。このキャッチボールはスリリングでした。
読売広告社の方々の、人をワクワクさせるもてなしの心には感服。
そして、この仕事でプロデューサーデビューを飾った土田泰淳さん。自分が安心できる手の内で勝負せず、新たな挑戦を恐れない取り組みに心強さを感じました。
(結婚おめでとうございます・・・しかも、美人の奥さまと
プロダクションマネージャー上西祐貴さんの瞳キラキラは、未来への希望でしょう。
(がんばれ



 このテレビCMと連動して、2月23日の毎日新聞を皮切りに
 朝日、産経、読売など各紙全国版に15段カラーの広告が
 掲載されます。

 Copyright © 2009 Kubota Corporation. All Rights Reserved.


さらに、現在発売中の雑誌 「CM NOW」 と 「コマーシャルフォト」 (共に玄光社)
がピックアップしてくれています。

 
Copyright © 2009 GENKOSHA Co.,ltd. All rights reserved.


さて、『色彩の記憶』 の話題に戻ります。
春立つ季節に向けて順次全国公開となります。
今年で23回目の歴史を誇る、高崎映画祭に招かれての上映も決まりました。
映画は、映画館の暗闇で多くのまなざしに触れる日を待っています。
posted by 色彩の記憶 at 11:26 | 御法川修

2009年02月02日

ドキュメンタリー映画の最前線

宣伝担当です。
『色彩の記憶』 のプロデューサーである井手口直樹さんが、
ドキュメンタリー映画を熱く語るメルマガ 「neoneo」 117号に
「自作を語る」 と題したエッセイを寄稿しました。

このメルマガの発行者は、伏屋博雄 (ふせや ひろお) さん。
日本のドキュメンタリー映画史を振り返るとき、
映画作家と共に語られるべきプロデューサーの仕事があります。
小川紳介監督の傑作群や、河瀬直美監督の 『杣人物語』 、
全国で上映が続く 『映画は生きものの記録である 土本典昭の仕事』
など、貴重な作品を数多くプロデュースしてこられた方。

個人的な好き嫌いを語る感想ばかりで、
「映画批評」 に触れられる場が少ない昨今です。
伏屋さんが発行し続けるメルマガ 「neoneo」 は、
映画の作り手と受け手が一緒になって映画を観て、語る。
そのことを、自らの暮らしに活かそうとする強い意志に満ちています。
ここがドキュメンタリー映画の最前線です
購読をお薦めします。

さて、井手口プロデューサーのエッセイ。
このブログをお読みの皆さまが、
本作への期待をふくらませてくれたら嬉しいです。
下に転載させていただきます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 自作を語る / 『色彩の記憶』
◆ 井手口直樹 (プロデューサー)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2004年の春。東京に新緑が芽吹く時期に、『色彩の記憶』 の企画は
スタートしました。
御法川修監督が、『色彩の記憶』 というタイトルに辿りついたのが、
この年の秋。東京の街路樹が赤や黄に染まり始めた頃です。それは
タイトルであると同時に大きな旗印となって、企画を導いていきました。
プロデューサーとして私がプロジェクトに参加したのもこの頃です。

クライアントは株式会社ミルボン、美容メーカーとして日本の色彩、日
本人の色彩感覚を重視した商品開発を行っている企業です。企業の
依頼による映像が、もっと社会とコミットする必要があると考えていま
したし、それを理解して受け入れてくれる土壌がミルボンにはありまし
た。

第一弾として、「源氏物語錦織絵巻」 を創作する山口伊太郎翁に焦点
をあてることは、プロジェクトのメンバー全員の一致した意見でした。
70歳という高齢ではじめた壮大な創造活動。京都西陣の技術の粋を集
めなくては成すことのできない翁にしか出来ない一大ページェント。
「源氏物語絵巻」 から失われた色彩を取り戻す創作者の想像力と匠た
ちの努力。はじめに色はなかったのです。2005年初夏、最初に 「源氏
物語」 の作者、紫式部の墓碑にカメラが向けられました。カメラは翁に、
後継者である野中明氏に、染、織、箔の匠たちを追い続けました。想像
から創造へ。100歳を越えてなお、翁の心の中では静かに全4巻完成へ
の情熱の炎が燃え続けていました。

  

「色彩の記憶〜源氏物語錦織絵巻 山口伊太郎と匠たち」 の完成から
半年後、第二弾の撮影が始まりました。場所は佐賀県有田町。日本一
の磁器の産地で、絵付と白磁で有名です。しかし、我々が相対したのは
「辰砂」 に取り組む二代目馬場真右ェ門さん。「辰砂」 は窯変物の中で
も、望んだ色を現出させるのが特に難しいと言われる赤い焼き物です。
その色を追い求めて窯をつぶす人もいるそうです。人の手が生み出す色
彩。だが、そこには人の手が及ばない窯の中の三日三晩があります。人
が出来ることは100%ではない。だけど、最良の結果をだすために、手を
尽くすしかない。有田の自然はそうした人の姿を見つめて悠久の時間を
経てきたのです。撮影をした季節には珍しいくらい素晴らしい雲海も作品
を彩ってくれました。

このロケに向かう前日、松川八洲雄監督の訃報が届きました。監督と私
のそれぞれの鞄に、松川さんの著作 「ドキュメンタリーを創る」 が潜んで
いたことを知るのは、ロケから帰ってきてからのことでした。

  

2007年。完結となる第三弾は、東京。このわずか10年ほどの間に、美容
師の中でも専門職としての地位を築いてきたカラースペシャリストの先
駆者、カキモトアームズの高原紀子さんと岩上晴美さんです。ここでは、
彼女たちの言葉に真摯に耳を傾けること、カラーリングという技術を丁寧
に見つめることに徹底しました。下見の際に感じた、お客様に喜んで頂く
ために、出来ることを純粋に模索し、技術の全てを傾ける姿勢をそのまま
描きたいと考えたからです。人のために、心をこめて、思いを巡らし、自分
の身体を動かして、何かを生み出す。仕事をすること、働くことの意味を
あらためて考えることになりました。同時に、第一弾から続く葉脈が確かに
見えてきたのです。この三作でひとつの瑞々しい葉となれる。言の葉となり
たい。そう思い始めていました。

  

表現にもこだわりました。既成のドキュメンタリーと単にくくられてしまう手法
ではないものを探る、監督とのコミュニケーションが必要でした。構成、編集、
録音にも通常より長い時間をかけました。その甲斐もあって、2007年 JPPA
アワードの録音部門でゴールド賞を受賞することができました。スタッフの
熱意が確実に作品の中に息づいてきたことを嬉しく思いました。

ゆふいん文化記録映画祭が、松川八洲雄監督の偉業を讃え、その意思を
未来へ継承する目的で創設した松川賞の上映が行われたのは2008年5月。
由布院は新緑に恵まれ、夜は蛍が舞っていました。『色彩の記憶』 は第一回
松川賞の受賞作品として選ばれました。それまで、企業の枠の中でしか利用
されることのなかったものが、一般の映画として観客の方に届けられたのです。
思いは届く。寄せられた観客の方のアンケートに、審査委員のコメントに、強く
そのことを感じました。

 

クライアントに我々の劇場公開への熱意を汲み取ってもらうのに、それほど時
間はかかりませんでした。ただ、劇場の方に、観客の方に単なる企業物として
受け止められてしまう可能性は否めません。最低限度の再編集は必要となり
ます。監督との作業が続きました。クライアントとの調整もありました。

一方、別の側面から考えると、公開される映画にもいろんな可能性があっても
いいのではないか、とも思っていました。その意味で企業作品だから駄目だ、
と言い切られて公開を取り止めざるを得なかった良質な作品は過去にあった
はずです。観ていただける価値があったにもかかわらず、公開する可能性すら
探らなかったこともあったと思います。でも、諦めたくはありませんでした。

今、日本の社会は新経済主義では立ち行かなくなったことを実感しています。
でも、立ち迷よっているように感じてなりません。日本の政治や経済システム
やアメリカのせいにしていては何も始まらないと思っています。

ひとりひとりが、自己利益の追求でなく、人のために出来ることを真剣に考え
始めることが大切だと思うのです。そして、仕事や働くことの実感につながる
ことがこれからの社会には必要だと思うのです。たかが映画かもしれません。
でも、我々に出来ることとして、観てくれた人が、そんなことを感じて考えてくれ
たら、とっても嬉しいのです。もちろん、日本の色彩の美しさも。

◎井手口直樹 (いでぐちなおき)
1959年 福岡県生まれ。紀伊國屋書店が製作する歴史上の人物をテーマにし
たビデオ評伝シリーズ 『学問と情熱』 や、能狂言を扱った 『古典芸能シリー
ズ』 などのプロデュースを手がける。
◆主な作品
筑後川〜いま、河童をいきる
(01年/第九回 地球環境映像祭入賞|監督赤桐芳夫)
野尻抱影〜星の文人
(02年/優秀映像教材選奨文部大臣賞|監督佐藤真)
…………………………………………………………………………………
◎ドキュメンタリー映画の最前線メルマガ 「neoneo」 (117号) より転載
◎発行者サイト: ビジュアルトラックス Copyright © 2009 visualtrax
…………………………………………………………………………………
posted by 色彩の記憶 at 03:15 | お知らせ

2009年01月30日

公開記念トークショー

プロデューサーの井手口直樹 (いでぐち・なおき) です。
1月26日、完成披露試写会をもんじゃの町月島で行いました。
寒い中、多くの方に足を運んで頂き、おかげさまで、会場は満席。
補助椅子が出る盛況でした。
作品の評価も上々で、いろんな方のご意見や力添えを頂きながら、
最後の宣伝活動に努めています。

公開期間中のイベントも固まってきました。
先の記事でお知らせしている片山瞳さんのトークショーに加えて、
「ドキュメンタリーを語る」 と題し、ふたりの監督をお招きし、
お話をお伺いすることになりました。

2月8日(日) は、ドキュメンタリー映画としては異例の大ヒット作
となった 『ヨコハマメリー』 の中村高寛監督。

2月13日(金)は、落語家柳家小三治師匠の素顔を追った
ドキュメンタリー映画 『小三治』 で監督デビューを飾った康宇政さんです。

新しい時代を切り拓く注目の監督たちです。
ご期待下さい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ 『色彩の記憶』 公開記念トークショー & 舞台挨拶
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆2月7日(土) 17:00 / 19:00 各回上映前
  初日舞台挨拶

  【登壇者】 御法川修 (監督) & 井手口直樹 (プロデューサー)

◆2月8日(日) 17:00 の回 終了後
  TALK SHOW / ドキュメンタリーを語る Vol. 1

  【ゲスト】 中村高寛 (映画監督)
  ◎多数の映画賞に輝いた大ヒット作 「ヨコハマメリー」 DVDレンタル中

◆2月11日(水祝) 11:00 の回 終了後
  TALK SHOW / 女優が生まれたとき

  【ゲスト】 片山 瞳 (女優) & 福嶋真砂代 (ライター)
  ◎写真集 「私の好きな孤独〜片山瞳」 (リトルモア刊) 発売中

◆2月13日(金) 19:00 の回 終了後
  TALK SHOW / ドキュメンタリーを語る Vol. 2

  【ゲスト】 康 宇政 (映画監督)
  ◎映画 「小三治」 2月21日より ポレポレ東中野にてロードショー

★NEWS
  日本映画専門情報サイト fjmovie.com
posted by 色彩の記憶 at 18:58 | 井手口直樹

2009年01月22日

世界はときどき美しい

宣伝担当です。
先の記事でご案内しております、
『色彩の記憶』 完成披露試写会へのご招待ですが、
私達の予想を超えるご応募の数に驚いています。
抽選の上、当選された方に限り、お知らせメールを送信します。

応募フォームには、
メッセージの記入をお願いしてはいなかったのですが、
やさしい気持ちのこもった一言が添えられており、
とても感激してしまいました。

そんなメッセージの中で最も多かったのが、
御法川監督の前作 『世界はときどき美しい』 への愛情。
すでに公開から二年の月日が経った過去の作品だというのに、
全国のTSUTAYAでは50万レンタルを更新中という、
アートシアター系作品のレンタル回転数としては異例の記録!!
秘かなロングセラーとして今も愛されているようです。

ミクシィのDVDレビューも現在進行形で増えており、
映画と出会ってくれる方々が、ゆっくり着実に増え続けているのだなぁ
と思うと、 宣伝に携わったひとりとして私も本当に嬉しいです。
応援してくださった皆さまへ、改めてお礼を申し伝えたいです。
ありがとうございました。

そんな 『世界はときどき美しい』 。
待望のアンコール上映が決まりました
久々にスクリーンでご覧いただける機会です。
『色彩の記憶』 と併せてお気にかけてもらえたら嬉しいです。

  ◆ 『色彩の記憶』 公開記念 ◆
  『世界はときどき美しい』 アンコール上映

  東京都写真美術館ホール にて
  2月7日(土) 〜 15日(日) 期間限定モーニングショー
  連日11:00 より一回上映
  ◎休館日 2月9日(月)
  当日一般 ¥1,500 / 学生 ¥1,300 / シニア ¥1,000
  ★画像をクリックするとチラシ (PDF) が開きます。

さらに、嬉しいお報せです。
本作で女優デビューを飾った期待の新人、
片山瞳さんによるトークショーが決定しました!!

詳細は、追ってこのブログでお報せします。

瞳さんがどれだけこの作品に深い愛情を注いでいたのかは、
Memorial Blog をお読みになってください。
posted by 色彩の記憶 at 19:18 | お知らせ

2009年01月18日

完成披露試写会へのご招待

宣伝担当です。
東京公開が迫る、アートドキュメンタリー映画 『色彩の記憶』 。
ゆふいん文化記録映画祭で 「新しいドキュメンタリー映画の誕生」 と
讃えられた作品が、いよいよ順次全国公開となります。

本作は、美容サロン用ヘア化粧品の総合メーカーとして
国内トップシェアを誇る株式会社ミルボンが製作。
日本独自の色彩文化を見つめ直すことの大切さを、
美容界の未来へ向けてメッセージしたいという想いが
込められています。

監督は、劇場用映画デビュー作 『世界はときどき美しい』 が
国内外で高く評価された御法川修

劇中に登場するのは、美容界をリードするカラースペシャリスト、
京都西陣織の匠たち、有田窯の陶工。
それぞれ異なるフィールドに生きる表現者の技と心に迫ります。

色彩に想いをめぐらし、新たな美を創造することの素晴らしさは、
グレーに覆われた現代に彩りを与える、ひとつの希望となるはずです。

期待の高まる一般公開に先駆けて、完成披露試写会が行われます。
このブログを訪ねてくださった方々の中から抽選で
5組10名様をご招待させていただきます。
当日は、御法川修監督による舞台挨拶を予定しています。
試写会概要をご確認の上、是非ご応募ください。

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 ◎ 『色彩の記憶』 完成披露試写会へのご招待
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  【日時】 2009年1月26日(月)
       19:00 開場 / 19:30 開映 (本編:70分)
  【会場】 ブロードメディア・スタジオ試写室
       (中央区月島1-14-7 ハリウッドチャンネル 2F)
  【アクセス】 有楽町線 「月島駅」 7番出口より徒歩3分

  

  ◆受付は終了しました。
    多数のご応募ありがとうございました。
posted by 色彩の記憶 at 13:57 | お知らせ
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